【読書】経済を読み解くための宗教史~高校時代に読みたかった~
去年(←2016年です)お参りに行った際に引いた、おみくじの説明で言われたこと。
「今年は本を読みなさい。」
おみくじの説明をしてくれる所だったのですが、どうもそれが頭に残り、特にこれとジャンルを決めずに目についたものを読むようにしてました。本屋さんは好きだし図書館も好き、で本を読む速度も速い方なので苦にはならず。
入院したり体調悪くてもできることって、それぐらいしかなかったという言い訳もあるのですが・・・。
日本史が好き、というか「信長の野望」にハマったので
PC8801の信長の野望全国版を持っているお金持ちの友人がいたので、これをきっかけに日本史にハマっていったのです(下は最新作です)。
宗教史とタイトルにはあるけれど
世界史の流れを宗教と経済の観点から、分かり易く説明されている一冊です。著者は予備校講師ということでもあり、非常に分かり易い文章で書かれている。宗教における現代日本人の違和感を理解されたうえで、私感を極力除いた内容でした。
権力と権威をしっかり分けて説明されている
ここは日本史にも当てはまるところであり、これを理解できないと歴史がただのファンタジーになっちゃうとこすもっぷ的に常に思っている所です。世界史に対して興味・理解が深まらなかった点が、非常に分かり易くかつ簡潔に述べられている。
- 権力⇒諸侯・王・将軍
- 権威⇒教会・カリフ・神学者・天皇
これを両輪にした利害調整が経済システムを作り、今日の世界の様々な問題にもつながっている。天皇の退位問題やイスラム圏とキリスト圏の対立なんかも、長い歴史合っての事と思い知らされました。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
あるくだりにこういうのがあります(ざっくりまとめてます)。
活版印刷によって聖書の大量印刷が可能となり、プロテスタントによる「聖書による信仰」が生まれ、このことにより既得権益層のカトリックが力を失っていく。
現代にもそのまま置き換えてしまうことができますね、活版印刷をインターネットやスマホ・カトリックを既存メディア・プロテスタントを一般市民。しかしながら決してプロテスタントの思いのまま歴史が進んだわけでもない、という流れがあるのも歴史の事実です。
最近の「日本スゲー!」は、愚者なのか賢者なの・・・。こすもっぷには愚者であると改めて思い知らされた一冊です、とお伝えしたいです。