ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー~日本馬ラニの挑戦を応援~
今年は現地時間5月7日、アメリカのチャーチルダウンズ競馬場で行われるケンタッキーダービーに日本調教馬としては史上2頭目ラニが挑戦する。
前哨戦としてドバイのUAEダービーを勝利(日本馬初)して、日本⇒ドバイ⇒アメリカと人間でもきついだろうと思う遠征を推しての出走予定です。
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ケンタッキーダービーというガチンコレース
決して他のレースがヌルイ訳ではないですが、基本的にここに至るまでで消耗してダービー出走以降は行方知れずなどが普通にあり得る、世界一過酷なダービーです。その上所謂ダービーポジションにいないとほぼ勝負にならず、歴代のレースを見ても4コーナーからの競り合いは恐ろしいまでの迫力を見せています。
135th kentucky derby my old kentucky home
My Old Kentucky Homeをレース前に観客全員で歌うのも有名です。
ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービーというシステム
2013年からケンタッキーダービーに向かうまでの前哨戦をポイント化して、ポイント上位の獲得馬に出走権を与える形に変更されました。これによって出走までの道程は非常に困難(いわゆるレーティングで出走権は得られない)となったため、普通に日本で走っていては出走すらできないのです。
今回ラニは前出のUAEダービーを勝利したことによりポイントを獲得し出走できるわけで、それゆえ海外を転戦する形となっています。ちなみにこのシステム全部で34競走あり、前年の9月から始まっています。とはいえポイントは直近の7競走が最も高いので、この7競走が事実上の前哨戦と言ってもいいでしょう。
現時点(4/25)で26頭が登録
おそらくは20頭前後での競争となるでしょうが、日本はフルゲートでも18頭と考えると非常に頭数の多い競争。三冠レースの初戦のケンタッキーダービーですが、例年は2,3戦目のプリークネスステークス・ベルモントステークスは10頭前後での競争となります。
昨年はアメリカンファラオが37年ぶりに三冠馬に輝きましたが、三冠すべて出走したのは実はこのアメリカンファラオのみ。これだけを見てもこの一競走にかける思いの大きさが計り知れます。なおこの三冠約1か月でやり切ってしまう上、ケンタッキー⇒メリーランド⇒ニューヨークと総移動距離も半端ではありません。まさに消耗戦に次ぐ消耗戦、動物愛護の精神とは何ぞや?とアメリカ国民に問いかけたい競争なのです(笑)。
ラニという馬
父タピット 母ヘヴンリーロマンス 母父サンデーサイレンス 母母父サドラーズウェルズ
ちょっと競馬をかじったことがある方であればわかるレベルで超良血です。父タピットも北米のリーディングサイアーに輝くほどの大種牡馬。日本調教馬とはいえ母ヘヴンリーロマンスがアメリカでラニを産んでるので、外国産馬という扱いではあるんですよね。
とは言えこのラニという馬、超良血のくせにとんでもなくやんちゃです(笑)。
音声注意してください(笑)。
ラニ咆哮 pic.twitter.com/MrV3myM847
— 丸内永舟 (@eishumaruuchi) 2016年3月19日
普通馬は吠えません(笑)。また初っ端からラチ蹴っ飛ばす、他馬にかみつくなどもやってた模様。おおよそ良血のお坊ちゃまとは言えない所業が界隈で上がっています。
母ヘヴンリーロマンスは天覧競馬の天皇賞勝ち馬
今上天皇が史上初めて天皇賞を観戦した、この天皇賞勝ち馬が母ヘヴンリーロマンス。騎手はラニの調教師でもある当時の松永幹夫騎手(現調教師)、競争後に天皇陛下に鞍上から最敬礼されました。
当時は牝馬が牡馬をG1競争で倒すのは極稀な時代だったのです。そんな時代に史上初めて行われた天覧競馬の天皇賞で勝った母ヘヴンリーロマンス。その母から生まれた子供でアメリカの頂点を目指す、松永調教師とオーナー等の関係者。一競馬ファンとして応援したいなと記事にさせていただきました。
ブラッドスポーツだから、ギャンブルだから
あまり世間体はよくないかもしれませんね(笑)。けど連綿と連なる血とそこに携わる人間のドラマは、私にはロマンがあふれるものなのです。
かの英国エリザベス女王も、朝起きて最初に見る新聞は競馬新聞らしいです。旦那さんはあまり好きではないそうですが(笑)。